1 00:00:13,160 --> 00:00:17,440 {\an8}ボツワナ オカバンゴ・デルタ 2 00:00:34,560 --> 00:00:37,240 ヒョウは優(すぐ)れた捕食者である 3 00:00:38,440 --> 00:00:40,440 隠れるのがうまい 4 00:00:47,800 --> 00:00:51,480 木登りと狩りの技術に たけている 5 00:00:59,400 --> 00:01:02,440 抜け目がなく とても賢い 6 00:01:08,280 --> 00:01:12,600 長年 多くのヒョウを 撮影してきたが 7 00:01:12,600 --> 00:01:16,080 それぞれが異なる個性を持つ 8 00:01:33,320 --> 00:01:37,080 {\an8}ブラッド 9 00:01:36,000 --> 00:01:39,000 初めてモチマに会った時 10 00:01:39,000 --> 00:01:44,720 彼女は約12メートルもある 木の枝に やすやすと登った 11 00:01:45,200 --> 00:01:47,320 そして ある場所に 12 00:01:47,840 --> 00:01:49,160 位置取りした 13 00:01:52,080 --> 00:01:54,400 何をしているか不明だった 14 00:02:05,200 --> 00:02:07,640 そして驚くことが起きた 15 00:02:26,280 --> 00:02:30,840 こんな危険な狩りをする ヒョウは初めてだった 16 00:02:39,160 --> 00:02:43,120 しかし危険を冒す理由が すぐに分かった 17 00:02:57,200 --> 00:03:02,520 巣の中にいる小さなヒョウの 子供たちを見て 18 00:03:02,520 --> 00:03:06,000 彼らの脆弱(ぜいじゃく)さが分かってきた 19 00:03:15,840 --> 00:03:18,760 最初の2年は特に危険である 20 00:03:19,600 --> 00:03:23,920 大人になれるヒョウの子供は 5割を切る 21 00:03:31,200 --> 00:03:34,080 どうなるか分からなかった 22 00:03:35,360 --> 00:03:38,800 しかし このヒョウの家族を追えば 23 00:03:38,800 --> 00:03:43,360 誰も知らないヒョウの世界を 見られると思った 24 00:04:19,720 --> 00:04:24,360 ヒョウと生きる 25 00:04:41,680 --> 00:04:44,160 ヒョウの子の撮影は難しい 26 00:04:45,280 --> 00:04:48,000 母親が上手に隠すからだ 27 00:04:49,240 --> 00:04:51,120 外の世界から隠す 28 00:05:00,400 --> 00:05:01,920 少し成長すると 29 00:05:02,880 --> 00:05:05,960 外の世界に気付き始める 30 00:05:06,560 --> 00:05:10,880 しかし巣から 遠く離れることはない 31 00:05:36,760 --> 00:05:39,040 巣の外を探索するのは 32 00:05:39,520 --> 00:05:42,760 生後3カ月たった頃である 33 00:05:44,720 --> 00:05:49,360 この頃になると 2匹の性格が明らかになる 34 00:05:50,080 --> 00:05:52,200 名前が付けやすい 35 00:06:01,720 --> 00:06:04,560 クチュラは “恥ずかしがり屋” 36 00:06:05,400 --> 00:06:07,680 母親によく似た娘だ 37 00:06:07,200 --> 00:06:11,240 {\an8}モチマ〝勇敢なる者〞 38 00:06:13,280 --> 00:06:15,920 外見も性格も似ている 39 00:06:32,080 --> 00:06:36,880 クチュラは周りの世界を見て 理解しようとしている 40 00:06:46,320 --> 00:06:49,520 目の奥に知性が感じられた 41 00:06:54,720 --> 00:06:56,360 モチマの息子は 42 00:06:56,360 --> 00:07:00,080 “力を欲す者” ダクンガと名付けた 43 00:07:01,920 --> 00:07:04,400 クチュラとは対照的だ 44 00:07:06,800 --> 00:07:09,480 大胆で思慮に欠けた 45 00:07:12,720 --> 00:07:14,920 とても不器用だった 46 00:07:24,800 --> 00:07:29,960 自然界で生きていくには 用心することが大切だ 47 00:07:31,440 --> 00:07:33,560 子供には危険な場所だ 48 00:08:12,880 --> 00:08:17,560 ヒョウの撮影には 相当な熱意と忍耐が要る 49 00:08:20,400 --> 00:08:22,760 このヒョウの家族を 50 00:08:23,280 --> 00:08:26,400 1人で追跡して撮影するのは 51 00:08:27,000 --> 00:08:29,080 無理だと分かっていた 52 00:08:33,000 --> 00:08:35,880 スティーブ 53 00:08:40,200 --> 00:08:43,440 {\an8}グレッグ 54 00:08:41,120 --> 00:08:44,760 チームを作る必要があった 55 00:08:45,560 --> 00:08:51,000 何年もヒョウを追いかける 決意を持った人を集める 56 00:08:58,840 --> 00:09:01,120 私は都会育ちだから 57 00:09:01,120 --> 00:09:05,840 草原でどうすればいいか 分からなかった 58 00:09:02,720 --> 00:09:06,080 {\an8}シィーツェレ 59 00:09:07,560 --> 00:09:09,760 特に母は不満だった 60 00:09:09,760 --> 00:09:14,200 野生動物に襲われると 思っていたからだ 61 00:09:25,880 --> 00:09:28,160 予想外の環境だった 62 00:09:26,200 --> 00:09:29,760 {\an8}ノア 63 00:09:29,760 --> 00:09:34,360 自然を撮影した経験は 少しだけあった 64 00:09:37,600 --> 00:09:42,360 草原に放り出され 自分を証明する必要があった 65 00:09:47,600 --> 00:09:51,400 モチマは子供を ヒョウの中央駅に隠して 66 00:09:51,400 --> 00:09:55,400 マングースの樹木限界へ 狩りをしに行った 67 00:10:11,960 --> 00:10:14,280 集中しているのが分かる 68 00:10:15,640 --> 00:10:17,480 考えることは1つ 69 00:10:18,520 --> 00:10:20,400 獲物を狩りに来た 70 00:10:29,520 --> 00:10:31,360 狩りに失敗したら 71 00:10:32,120 --> 00:10:35,800 子供に3日間 食事を与えられない 72 00:10:35,800 --> 00:10:38,080 危険な状況になる 73 00:10:41,120 --> 00:10:43,760 全ての動きが慎重だ 74 00:10:44,240 --> 00:10:47,640 作戦を立てて 動いているのが分かる 75 00:10:51,360 --> 00:10:53,240 狩りが始まる 76 00:10:56,560 --> 00:11:01,480 高い知性と 身を隠して動く能力が 77 00:11:01,480 --> 00:11:04,400 ヒョウの特徴と言える 78 00:11:13,880 --> 00:11:18,800 ヒョウは獲物に 全く気付かれることなく 79 00:11:19,400 --> 00:11:22,600 非常に近くまで接近できる 80 00:11:27,160 --> 00:11:32,160 以前 モチマは獲物の 1メートル以内まで近づき 81 00:11:32,160 --> 00:11:37,280 約1時間 その場所で待って 襲いかかった 82 00:11:53,960 --> 00:11:56,720 経験豊富なハンターは 83 00:11:56,720 --> 00:12:00,680 口と鼻をかみ 獲物を窒息させる 84 00:12:00,680 --> 00:12:04,360 他の捕食者を引き寄せる 音を出させない 85 00:12:05,200 --> 00:12:09,760 静かに獲物をしとめるほうが 成功率が高い 86 00:12:27,960 --> 00:12:32,600 ヒョウは しとめた獲物を 木の上に運んで守る 87 00:12:32,600 --> 00:12:37,880 しかし幼い子を持つ母親は 地面に隠すことが多い 88 00:12:51,840 --> 00:12:54,120 モチマが子供を呼ぶと 89 00:12:55,560 --> 00:12:58,480 クチュラは すぐに来た 90 00:13:04,640 --> 00:13:06,600 ダクンガは見えない 91 00:13:08,560 --> 00:13:12,480 いるべき場所を離れて 遊んでいるようだ 92 00:13:14,320 --> 00:13:17,240 ここで安全地帯を出ると 93 00:13:17,240 --> 00:13:20,080 命取りになることがある 94 00:13:22,640 --> 00:13:27,040 何度もモチマが呼ぶと ようやく返事があった 95 00:13:34,120 --> 00:13:35,640 気にしていない 96 00:13:39,200 --> 00:13:41,280 もう いつもどおり 97 00:13:51,760 --> 00:13:55,320 子供たちは死骸から いろいろと学ぶ 98 00:13:58,480 --> 00:14:01,840 面白い儀式的なことを行う 99 00:14:04,440 --> 00:14:08,280 子供たちは 頭の中で狩りを再現する 100 00:14:17,120 --> 00:14:20,960 これは獲物への欲求を 目覚めさせる 101 00:14:21,480 --> 00:14:26,560 一人前のハンターになるのに とても重要である 102 00:14:43,200 --> 00:14:47,520 子供たちは食事をして 満足したので 103 00:14:48,080 --> 00:14:51,440 モチマは縄張りを守りに行く 104 00:14:53,000 --> 00:14:57,400 縄張りの大きさは 約20平方キロメートル 105 00:15:02,600 --> 00:15:06,480 縄張りの境界に においをつけながら 106 00:15:07,240 --> 00:15:09,360 パトロールをする 107 00:15:35,840 --> 00:15:39,520 モチマは7~8時間 連続で歩くから 108 00:15:39,520 --> 00:15:42,120 後を追うのも一苦労だ 109 00:15:49,480 --> 00:15:53,000 追っている時は 緊張状態が続く 110 00:15:58,760 --> 00:16:03,200 見失うのを恐れて 食事を忘れることもある 111 00:16:10,040 --> 00:16:14,000 においをつけて 他のメスのヒョウに 112 00:16:14,000 --> 00:16:17,680 縄張りに近づくなと警告する 113 00:16:20,000 --> 00:16:24,960 しかし放浪するオスの侵入は 阻止できない 114 00:16:41,240 --> 00:16:44,800 ヒョウがヒョウの子を 一番多く殺す 115 00:16:44,800 --> 00:16:50,000 この放浪するオスは 2匹の子供の脅威になる 116 00:16:55,520 --> 00:16:59,320 オスは子供を意図的に殺して 117 00:16:59,320 --> 00:17:03,520 メスが自分と 交尾できるようにする 118 00:17:13,720 --> 00:17:16,520 あのオスを止められるのは... 119 00:17:18,480 --> 00:17:19,800 モカニョだけ 120 00:17:18,960 --> 00:17:24,000 {\an8}モカニョ〝大きい者〞 121 00:17:22,800 --> 00:17:26,320 この地域を支配する 2匹の父親である 122 00:17:34,360 --> 00:17:37,560 侵入者のにおいに気付くと 123 00:17:37,560 --> 00:17:40,160 モカニョは追い始めた 124 00:18:16,160 --> 00:18:18,200 すぐにモカニョは 125 00:18:18,200 --> 00:18:21,760 少し色の薄いオスを見つけた 126 00:18:51,440 --> 00:18:56,080 2匹のオスが 相手の強さを探り合っていた 127 00:18:58,400 --> 00:19:01,400 緊張が高まっていった 128 00:19:09,440 --> 00:19:14,440 結局 2匹のオスは 戦わなければならなかった 129 00:19:20,320 --> 00:19:24,000 低木の生えた 見えない場所で起きた 130 00:19:33,360 --> 00:19:34,840 重要な戦いだ 131 00:19:35,480 --> 00:19:38,040 この戦いの勝敗が 132 00:19:38,040 --> 00:19:42,360 クチュラとダクンガの 生死を決める 133 00:19:55,520 --> 00:19:58,080 まず若い侵入者が現れた 134 00:20:01,240 --> 00:20:03,320 モカニョは見えない 135 00:20:08,840 --> 00:20:11,880 ひどい不安が襲った 136 00:20:27,640 --> 00:20:31,320 ひどく傷ついた モカニョが出てきた 137 00:20:40,680 --> 00:20:44,480 しかし放浪するオスが 去り始めた 138 00:20:46,120 --> 00:20:47,800 勝者はモカニョだ 139 00:20:54,200 --> 00:21:00,240 モチマの家族が無事で 私たちは とても安心した 140 00:21:01,680 --> 00:21:05,480 彼らの物語の撮影を 続けられる 141 00:21:27,080 --> 00:21:32,560 何日も 何週間も 人と全く会わない時がある 142 00:21:36,120 --> 00:21:39,400 だから精神的な安定が 不可欠だ 143 00:21:58,400 --> 00:22:00,480 私は昔から内向的だ 144 00:22:00,480 --> 00:22:05,160 だから1人で草原で 静かに過ごすのは 145 00:22:05,160 --> 00:22:07,440 性に合っている 146 00:22:25,680 --> 00:22:28,880 夜 外で寝る時は 常に警戒する 147 00:22:28,880 --> 00:22:33,160 ヘビやサソリや ライオンが通ることがある 148 00:22:35,960 --> 00:22:39,560 しかし星の下で 寝ることができる 149 00:22:41,840 --> 00:22:45,200 最近は なかなかできない経験だ 150 00:23:05,920 --> 00:23:12,240 6カ月後... 151 00:23:27,200 --> 00:23:30,920 目を覚ましたら 環境に溶け込む 152 00:23:32,160 --> 00:23:36,800 観察する時は ヒョウだけを探さない 153 00:23:36,800 --> 00:23:39,640 エリアにいる他の動物が 154 00:23:39,640 --> 00:23:42,720 緊張しているかも確認する 155 00:23:42,720 --> 00:23:46,840 それで近くに ヒョウがいるか分かる 156 00:24:10,720 --> 00:24:13,400 メスのヒョウの足跡を発見 157 00:24:13,400 --> 00:24:16,520 センザンコウの森へ 向かっている 158 00:24:17,760 --> 00:24:20,080 新しい足跡だ 後を追う 159 00:24:29,080 --> 00:24:32,560 ヒョウのように考えて 行動する 160 00:24:32,560 --> 00:24:34,880 それが見つけるコツ 161 00:24:36,160 --> 00:24:39,840 毎日 長時間 長距離を移動する 162 00:25:00,520 --> 00:25:03,520 モチマを見つけた 163 00:25:03,520 --> 00:25:08,120 マンゴスチン交差路に クチュラと向かっている 164 00:25:28,080 --> 00:25:31,560 ヒョウの子は 1歳ぐらいになると 165 00:25:31,560 --> 00:25:35,960 狩りの本能が目覚め始める 166 00:25:37,120 --> 00:25:41,960 モチマはクチュラを 何度も狩りに同行させて 167 00:25:41,960 --> 00:25:45,960 見て学ぶ機会を与えている 168 00:26:04,800 --> 00:26:08,280 ある日 クチュラは 狩りを見ていた 169 00:26:11,080 --> 00:26:15,920 モチマは気付かれないように 行動していた 170 00:26:53,400 --> 00:26:58,000 そこへ突然 クチュラが 母親にすり寄ってきた 171 00:27:01,800 --> 00:27:05,160 子供と遊ぶのは 仕事外にしたい 172 00:27:16,840 --> 00:27:19,480 クチュラは頑張っているが 173 00:27:19,480 --> 00:27:22,680 スキルと経験が足りない 174 00:27:24,440 --> 00:27:26,920 しかし学ぶ気はある 175 00:27:34,360 --> 00:27:37,280 ダクンガはクチュラと違い 176 00:27:37,280 --> 00:27:41,400 誰からも学ぶ気がなかった 177 00:27:43,120 --> 00:27:45,120 1人で模索していた 178 00:27:54,440 --> 00:27:56,720 よく危険な状況に陥る 179 00:28:14,560 --> 00:28:16,480 2匹の子供のうち 180 00:28:17,160 --> 00:28:20,840 ダクンガは 生き残れるか心配だった 181 00:28:26,360 --> 00:28:30,040 数日間 彼が 行方不明の時があった 182 00:28:30,520 --> 00:28:33,720 いつもと違い どこにもいなかった 183 00:28:34,280 --> 00:28:39,840 あの年齢のヒョウは 他の捕食者に簡単に殺される 184 00:28:46,480 --> 00:28:51,040 オオバノボタンの樹木限界だ ダクンガはいない 185 00:28:52,280 --> 00:28:56,600 近くにいる チーターの家族を見ていく 186 00:28:59,520 --> 00:29:02,840 母親とほぼ成獣の子供が 2匹いた 187 00:29:08,240 --> 00:29:10,280 インパラをしとめた 188 00:29:18,520 --> 00:29:20,400 食べるのを見ていた 189 00:29:23,520 --> 00:29:26,200 すると視界に入った 190 00:29:27,560 --> 00:29:28,800 ダクンガだ 191 00:29:30,920 --> 00:29:35,280 チーターが食べる インパラの死骸へ向かう 192 00:29:40,520 --> 00:29:43,240 どんどん近づいていく 193 00:29:44,280 --> 00:29:47,480 インパラを 3匹のチーターから 194 00:29:48,000 --> 00:29:51,640 奪おうとする子供は 彼ぐらいだ 195 00:29:56,960 --> 00:30:00,360 ダクンガの性格がよく分かる 196 00:30:41,080 --> 00:30:44,680 チーターに追われる ヒョウを初めて見た 197 00:30:45,680 --> 00:30:49,240 ヤシの木に登るヒョウも 初めてだ 198 00:30:54,400 --> 00:30:59,640 何もしないヒョウを 何週間も観察することが多い 199 00:31:00,280 --> 00:31:04,040 しかし何か起きる日を 逃してはいけない 200 00:31:13,280 --> 00:31:15,840 ダクンガは幸運だと思った 201 00:31:16,960 --> 00:31:19,200 また死骸のにおいがする 202 00:31:21,520 --> 00:31:24,240 においをたどると獲物は 203 00:31:24,240 --> 00:31:27,320 父親のモカニョのものだった 204 00:31:31,480 --> 00:31:34,840 縄張りのオスの獲物には 近づかない 205 00:31:41,760 --> 00:31:44,720 しかしダクンガは空腹だった 206 00:31:50,400 --> 00:31:53,160 父親かどうかは関係ない 207 00:31:59,760 --> 00:32:02,120 とても危険な行動だ 208 00:32:46,840 --> 00:32:49,240 ダクンガが失敗する度 209 00:32:49,240 --> 00:32:52,320 正気に戻り諦めると思った 210 00:32:55,960 --> 00:32:59,480 しかし危険を理解せず 獲物を狙った 211 00:33:14,720 --> 00:33:17,040 彼の大胆さが勝った 212 00:33:22,680 --> 00:33:26,000 予想外の結果であった 213 00:33:26,520 --> 00:33:30,320 なぜモカニョが 譲ったか分からない 214 00:33:43,880 --> 00:33:47,240 父親だから 認めたのかもしれない 215 00:33:47,240 --> 00:33:49,360 驚くべきことだ 216 00:33:54,440 --> 00:33:57,640 ダクンガの性格を 示す出来事だ 217 00:33:59,640 --> 00:34:02,680 こういった瞬間に 218 00:34:04,000 --> 00:34:07,760 ヒョウの新たな一面が かいま見られる 219 00:34:25,520 --> 00:34:29,120 その日の終わりに 家族は再会した 220 00:34:42,840 --> 00:34:45,840 家族の強い絆(きずな)を見た 221 00:34:46,560 --> 00:34:49,320 たくさん飛び跳ねて遊んだ 222 00:35:06,720 --> 00:35:09,720 ダクンガはイタズラばかり 223 00:35:22,200 --> 00:35:25,400 楽しい時は 次第に少なくなる 224 00:35:26,680 --> 00:35:32,520 2匹が自立して生きる時が 確実に近づいていた 225 00:35:35,000 --> 00:35:37,120 避けることはできない 226 00:35:46,440 --> 00:35:47,440 ノア? 227 00:35:48,360 --> 00:35:49,840 グレッグ どうぞ 228 00:35:51,000 --> 00:35:54,000 静かで何も見つからないから 229 00:35:54,000 --> 00:35:57,400 キャンプ場に戻って休憩する 230 00:35:59,440 --> 00:36:04,400 了解だ こっちも静かだから 私もすぐ戻る 231 00:36:05,760 --> 00:36:07,360 ではキャンプで 232 00:36:08,800 --> 00:36:13,240 約1週間 車に座って 動かないのはよくない 233 00:36:13,840 --> 00:36:18,200 キャンプ場でスポーツをして ひげをそる 234 00:36:18,200 --> 00:36:21,360 自分を大切にするのも重要だ 235 00:36:21,360 --> 00:36:23,760 {\an8}ハンナ 236 00:36:23,760 --> 00:36:24,440 {\an8}ハンナ クルーは 家族のようになった 237 00:36:24,440 --> 00:36:27,200 {\an8}クルーは 家族のようになった 238 00:36:27,840 --> 00:36:30,640 こういった絆がないと 239 00:36:30,640 --> 00:36:34,240 撮影プロジェクトは うまくいかない 240 00:36:49,040 --> 00:36:51,720 私たちはキャンプに戻ると 241 00:36:51,720 --> 00:36:55,760 草原が恋しくなる病に かかっている 242 00:36:57,360 --> 00:37:00,240 だから いろんなことをしても 243 00:37:00,240 --> 00:37:02,640 早く戻ろうとする 244 00:37:16,600 --> 00:37:20,960 6カ月後... 245 00:37:22,200 --> 00:37:25,840 オカバンゴが最も暑くなると 風が吹き 246 00:37:26,640 --> 00:37:29,160 雷雲が形成される 247 00:37:37,040 --> 00:37:41,160 雷雨が始まると どしゃ降りになる 248 00:37:50,120 --> 00:37:52,760 全てが雨の到来を祝う 249 00:37:54,720 --> 00:37:59,720 厳しい暑さが和らぎ 過ごしやすくなる 250 00:38:01,880 --> 00:38:05,600 自然の中に 生命が吹き込まれる 251 00:38:34,280 --> 00:38:38,000 この時期に 大半の生き物が子供を産む 252 00:38:57,400 --> 00:39:01,720 生後18カ月の ヒョウの子供たちが... 253 00:39:04,800 --> 00:39:08,320 将来の獲物を知る よい時期である 254 00:39:17,240 --> 00:39:22,080 クチュラを追って マングースの樹木限界に来た 255 00:39:22,080 --> 00:39:24,440 クチュラは休憩中だ 256 00:39:30,400 --> 00:39:32,720 数時間 彼女は茂みにいた 257 00:39:34,440 --> 00:39:39,080 そこへヒヒの大群が やってきた 258 00:39:42,160 --> 00:39:46,840 クチュラは子供なら狩れると 思ったのだろう 259 00:39:48,880 --> 00:39:51,520 茂みにいるのも飽きたはず 260 00:40:09,920 --> 00:40:12,360 オスのヒヒに囲まれた 261 00:40:13,760 --> 00:40:19,280 殺傷能力の高い 強力な大きい牙を持っている 262 00:40:31,680 --> 00:40:33,400 危険な状況だった 263 00:41:13,800 --> 00:41:16,760 全力で走ったのは 初めてだろう 264 00:41:18,480 --> 00:41:23,160 しかし急に状況が 変わることを学んだ 265 00:41:35,120 --> 00:41:40,920 6カ月後... 266 00:41:44,960 --> 00:41:47,640 私たちはプロジェクトの間 267 00:41:47,640 --> 00:41:51,600 ヒョウと 最も多くの時間を過ごした 268 00:41:53,080 --> 00:41:57,920 謎が多く見つけにくい ヒョウの家族の秘密を 269 00:41:57,920 --> 00:42:03,000 知ることができたのは すばらしいと思う 270 00:42:06,280 --> 00:42:08,120 常に一緒にいると 271 00:42:08,120 --> 00:42:12,120 ヒョウに 愛着を持つようになり 272 00:42:12,120 --> 00:42:15,200 応援したくなる時がある 273 00:42:18,800 --> 00:42:21,920 ヒョウと共に笑って泣く 274 00:42:21,920 --> 00:42:25,640 彼らを愛していると 思う時がある 275 00:42:26,360 --> 00:42:29,800 しかし境界線を 引く必要がある 276 00:42:30,280 --> 00:42:34,640 彼らにヒョウとしての 人生を送らせる 277 00:42:35,560 --> 00:42:37,720 私たちは観察者でいる 278 00:42:57,800 --> 00:43:01,200 モチマは再び繁殖期を迎える 279 00:43:04,520 --> 00:43:06,960 子供たちが2歳の時... 280 00:43:11,760 --> 00:43:13,760 モチマに発情期が来た 281 00:43:30,120 --> 00:43:33,160 モチマは モカニョの気を引くため 282 00:43:33,760 --> 00:43:38,240 縄張りの至る所に 自分のにおいをつけ始めた 283 00:43:48,520 --> 00:43:50,600 2匹のヒョウの愛は 284 00:43:51,360 --> 00:43:52,800 とても激しい 285 00:43:54,320 --> 00:43:58,640 4~5日の間に 何百回も交尾をする 286 00:44:06,280 --> 00:44:09,760 通常 メスがオスに対して 287 00:44:09,760 --> 00:44:13,400 交尾の誘いをしかける 288 00:44:25,080 --> 00:44:26,840 相手を誘惑して... 289 00:44:29,680 --> 00:44:32,560 愛情でいっぱいにする 290 00:44:45,200 --> 00:44:49,360 3日間 交尾をすると オスは疲れ果てる 291 00:44:49,360 --> 00:44:51,560 くたくたである 292 00:45:06,280 --> 00:45:11,240 モチマは交尾行動を 確実に成功させたい 293 00:45:18,880 --> 00:45:24,560 モチマはモカニョに 彼の子供だと理解させたい 294 00:45:54,440 --> 00:45:58,440 交尾したモチマは 新たな子供を産む 295 00:46:01,080 --> 00:46:03,560 クチュラとダクンガは 296 00:46:03,560 --> 00:46:07,160 新たな子供に危険をもたらす 297 00:46:14,400 --> 00:46:17,960 子供が生まれる 3カ月後までに 298 00:46:18,920 --> 00:46:23,360 モチマは2匹を 追い出す必要がある 299 00:46:26,960 --> 00:46:28,760 時間が迫っている 300 00:46:35,360 --> 00:46:38,400 クチュラは順調に学んでいた 301 00:46:38,920 --> 00:46:43,200 しかし まだ1人で 狩りに成功していない 302 00:46:46,080 --> 00:46:50,400 ダクンガは大きな失敗を 繰り返していた 303 00:46:52,880 --> 00:46:55,320 とても心配だった 304 00:47:01,600 --> 00:47:04,000 モチマは息子に手を貸す 305 00:47:08,920 --> 00:47:13,760 よき母親は 彼に獲物の場所を教えた 306 00:47:26,960 --> 00:47:31,320 モチマは穴の中に イボイノシシの子供が 307 00:47:31,320 --> 00:47:35,400 いると知っていて 息子を連れてきた 308 00:47:37,200 --> 00:47:40,280 本能ではなく 考えた行動だ 309 00:47:42,240 --> 00:47:45,040 その行動に驚かされた 310 00:47:56,280 --> 00:47:59,040 しかし母親が中にいた 311 00:48:00,760 --> 00:48:04,200 穴の中に 大人がいたら危険すぎる 312 00:48:05,880 --> 00:48:08,840 鋭い牙で刺されてしまう 313 00:48:22,600 --> 00:48:26,280 クチュラは ダクンガとモチマを見て 314 00:48:26,800 --> 00:48:28,760 失敗から学んでいた 315 00:48:29,800 --> 00:48:32,000 勝てない戦いだと 316 00:48:56,680 --> 00:48:59,760 約1週間後 クチュラは 317 00:48:59,760 --> 00:49:04,440 イボイノシシの巣穴から 25メートルの所にいた 318 00:49:05,320 --> 00:49:06,800 待っていた 319 00:49:10,400 --> 00:49:11,600 1時間後 320 00:49:12,120 --> 00:49:14,880 母親が巣穴から出ていった 321 00:49:52,400 --> 00:49:56,000 巣穴の近くで 止まった瞬間から 322 00:49:56,000 --> 00:49:58,960 これを狙っていたのだ 323 00:49:59,840 --> 00:50:01,120 すばらしい 324 00:50:17,560 --> 00:50:21,760 2カ月後... 325 00:50:48,320 --> 00:50:53,320 クチュラは技術を習得して 体も大きくなった 326 00:50:54,360 --> 00:50:56,120 性的に成熟した 327 00:51:00,040 --> 00:51:04,880 母親の縄張りの中で においをつけ始めた 328 00:51:08,520 --> 00:51:11,000 においは他のオスを呼び 329 00:51:11,000 --> 00:51:14,840 モチマのおなかの子を 危険にさらす 330 00:51:40,640 --> 00:51:45,000 モチマはクチュラを 追い出すしかない 331 00:51:50,560 --> 00:51:53,960 クチュラのにおいを 素早く捉えると 332 00:51:54,480 --> 00:51:56,680 においを追い始めた 333 00:52:04,840 --> 00:52:06,880 娘は母親に気付いた 334 00:52:10,120 --> 00:52:12,960 しかし態度がいつもと違う 335 00:52:13,520 --> 00:52:16,400 真剣な面持ちだった 336 00:52:43,600 --> 00:52:48,920 戦いが終わった時 クチュラは混乱していた 337 00:52:51,840 --> 00:52:55,360 母親の攻撃を 理解できなかった 338 00:53:00,360 --> 00:53:04,720 モチマはクチュラを 縄張りの端へ追いやる 339 00:53:17,520 --> 00:53:22,480 これ以上は進めないと 思ったクチュラは 340 00:53:22,480 --> 00:53:25,120 戻ろうとして止まった 341 00:53:26,040 --> 00:53:27,920 抵抗と見なされた 342 00:54:04,400 --> 00:54:06,680 親子の関係は終わった 343 00:54:10,360 --> 00:54:12,960 母と娘は別の道を歩む 344 00:54:18,960 --> 00:54:21,600 人間には理解しがたい 345 00:54:22,360 --> 00:54:27,600 このように親子の別れが 突然 訪れることはない 346 00:54:32,880 --> 00:54:37,160 ヒョウの人生は 残酷に見えるかもしれない 347 00:54:40,760 --> 00:54:44,280 しかし これが 自然界の法則である 348 00:54:45,200 --> 00:54:49,480 クチュラは未知の世界に 追い出された 349 00:54:50,160 --> 00:54:51,960 戻ることはできない 350 00:55:01,080 --> 00:55:04,440 生まれてくる子供を守るには 351 00:55:05,080 --> 00:55:08,080 2匹とも追い出す必要がある 352 00:55:08,720 --> 00:55:11,600 しかし まだダクンガがいる 353 00:55:34,880 --> 00:55:39,760 母親から習った 考え方や技術を使わず 354 00:55:39,760 --> 00:55:42,640 ダクンガは突進していく 355 00:55:43,880 --> 00:55:45,920 ヒョウの狩りではない 356 00:56:26,800 --> 00:56:31,320 彼は惨めに 何度も失敗を繰り返した 357 00:56:35,800 --> 00:56:41,160 ダクンガは今追い出されたら 生き延びられないだろう 358 00:57:05,280 --> 00:57:08,960 ダクンガは イボイノシシの巣穴に登った 359 00:57:12,040 --> 00:57:15,680 ヒョウは イボイノシシの巣穴を狙う 360 00:57:17,600 --> 00:57:22,280 しかし最も大きい個体を狙う ヒョウは初めて見た 361 00:57:24,360 --> 00:57:25,880 通称サーベルタイガー 362 00:58:08,320 --> 00:58:12,240 彼はイボイノシシを 諦める気はなく 363 00:58:12,240 --> 00:58:13,960 後を追って襲う 364 00:58:42,360 --> 00:58:45,400 大人のオスの イボイノシシを狩った 365 00:58:47,480 --> 00:58:49,440 心配は無用だった 366 00:58:52,360 --> 00:58:53,920 誇らしかった 367 00:59:05,160 --> 00:59:09,040 イボイノシシを狩り ダクンガは変わった 368 00:59:10,920 --> 00:59:14,360 それは母親に影響を与える 369 00:59:28,680 --> 00:59:32,000 身体的に母親より強くなり 370 00:59:32,000 --> 00:59:37,120 母親とおなかの子供にとって 脅威となった 371 00:59:42,720 --> 00:59:46,200 関係が壊れ始めたのが分かる 372 00:59:56,080 --> 01:00:00,160 会う度に2匹の争いは 激しさを増した 373 01:00:26,360 --> 01:00:28,320 ついにモチマは怒った 374 01:01:10,800 --> 01:01:13,680 親しみも優しさも消えた 375 01:01:48,600 --> 01:01:51,440 ダクンガは 母親の縄張りを出て 376 01:01:52,400 --> 01:01:55,400 自分の道を進むことにした 377 01:02:04,320 --> 01:02:08,040 モチマはダクンガに できることをした 378 01:02:10,800 --> 01:02:14,320 彼は外の世界に出ていった 379 01:02:16,840 --> 01:02:19,480 私たちは去るのを見守った 380 01:02:19,480 --> 01:02:22,120 再び会うかは分からない 381 01:02:28,320 --> 01:02:30,200 複雑な気分だった 382 01:02:30,680 --> 01:02:32,920 悲しいかもしれないが 383 01:02:32,920 --> 01:02:37,440 彼は家族を持つために 去る必要があった 384 01:02:38,000 --> 01:02:40,560 ハンナ 385 01:02:40,560 --> 01:02:44,200 彼がここまで来られて 誇らしかった 386 01:02:44,200 --> 01:02:47,000 最も過酷な時期を乗り越えた 387 01:02:55,040 --> 01:02:57,880 彼は外の世界で成功する 388 01:02:57,880 --> 01:03:02,200 大きくて強い子だから 安心していい 389 01:03:07,520 --> 01:03:09,400 ダクンガが去り 390 01:03:09,400 --> 01:03:13,600 ヒョウの家族の観察は 終わりを迎えた 391 01:03:32,080 --> 01:03:35,800 プロジェクトに関わり 体験を共有して 392 01:03:36,280 --> 01:03:38,920 変わらない人はいないだろう 393 01:03:47,600 --> 01:03:50,880 ヒョウたちを 2年半 撮影してきて 394 01:03:50,880 --> 01:03:54,160 私の人生観は変わった 395 01:04:00,600 --> 01:04:03,800 彼らの生き方は純粋だ 396 01:04:05,880 --> 01:04:08,560 整然として 複雑でない 397 01:04:09,080 --> 01:04:13,720 私も少し見習って 生きるべきだと考える 398 01:04:15,520 --> 01:04:16,760 いい生き方だ 399 01:04:37,200 --> 01:04:40,400 モチマの追跡をやめた 約2カ月後 400 01:04:42,320 --> 01:04:46,560 モチマを見つけたと ノアから連絡があった 401 01:04:51,120 --> 01:04:53,760 森の境界で死んでいた 402 01:05:13,520 --> 01:05:17,320 モチマが死んでいるから 触れられる 403 01:05:20,280 --> 01:05:22,400 ひどい皮肉だった 404 01:05:23,800 --> 01:05:28,360 乗り越えるのが とてもつらい出来事だった 405 01:05:30,840 --> 01:05:34,600 知り合って愛したヒョウが... 406 01:05:37,000 --> 01:05:37,840 死んだ 407 01:05:44,280 --> 01:05:47,280 何があったかは分からない 408 01:05:48,600 --> 01:05:52,880 しかしヒョウたちは 太く短い人生を生きる 409 01:05:54,360 --> 01:05:59,480 モチマのすばらしい人生を 見られて幸運だった 410 01:06:08,320 --> 01:06:10,040 モチマが死んで 411 01:06:10,040 --> 01:06:13,560 世界から全てが 消えたようだった 412 01:06:15,800 --> 01:06:18,680 周りにヒョウはいない 413 01:06:23,200 --> 01:06:27,000 しかしグレッグが クチュラを見つけた 414 01:06:42,840 --> 01:06:45,320 母親の縄張りの端にいた 415 01:06:51,400 --> 01:06:56,320 クチュラが戻ってきて 皆が大喜びした 416 01:07:12,920 --> 01:07:16,640 彼女は高い木の枝に 座っていた 417 01:07:28,360 --> 01:07:30,960 近くにインパラがいた 418 01:07:35,320 --> 01:07:38,320 インパラが木の下に来たら 419 01:07:38,320 --> 01:07:42,360 クチュラは 狩るかもしれないと思った 420 01:07:47,360 --> 01:07:50,920 そしてオスが何匹か 木の下に来た 421 01:08:02,240 --> 01:08:04,960 頭が飛び出してきた 422 01:08:24,200 --> 01:08:26,080 狩りに成功した 423 01:08:38,640 --> 01:08:40,920 モチマの狩りの技術が 424 01:08:40,920 --> 01:08:44,400 受け継がれたのを見て 安心した 425 01:08:46,680 --> 01:08:51,080 物語の終わりが むしろ始まりに思えた 426 01:08:57,480 --> 01:09:01,920 クチュラの人生の 新しい章が始まった 427 01:09:03,400 --> 01:09:06,400 彼女は優れたヒョウになる 428 01:10:12,760 --> 01:10:17,760 日本語字幕 佐藤 朝子